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小野 正人; 清水 厚志; 近藤 誠; 島崎 洋祐; 篠原 正憲; 栃尾 大輔; 飯垣 和彦; 中川 繁昭; 高田 昌二; 沢 和弘
Journal of Nuclear Engineering and Radiation Science, 2(4), p.044502_1 - 044502_4, 2016/10
HTTRを用いた炉心冷却喪失試験は、物理現象の効果によってシビアアクシデントを起こさない固有の安全性を有する高温ガス炉を研究する安全評価コードの検証のため、制御棒を挿入せず、炉容器冷却設備を停止して炉心冷却を喪失させるものである。炉容器冷却設備は熱放射や熱伝達によって高温となった原子炉圧力容器を冷却することにより原子炉の残留熱や崩壊熱を除去するものである。試験では、原子炉の安全性は維持されるものの、炉容器冷却設備の熱反射板による水冷管の冷却効果が届かない箇所の局所的な温度が長期使用の観点から制限値を上回ると考えられる。試験は炉容器冷却設備を停止し核熱を用いずガス循環機による入熱のみで実施され、その結果、最高使用温度より十分低い温度ではあるが局所的に温度の高い箇所を特定し、冷却水の自然循環の冷却効果に十分な効果は無く、冷却管の温度を1C下げるのみであることを見出した。そして、HTTRの再稼働後にすぐに実施される炉心冷却喪失試験に向けた新しく適切で安全な手順を確立した。
高田 昌二; 清水 厚志; 近藤 誠; 島崎 洋祐; 篠原 正憲; 関 朝和; 栃尾 大輔; 飯垣 和彦; 中川 繁昭; 沢 和弘
Proceedings of 23rd International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-23) (DVD-ROM), 5 Pages, 2015/05
HTTRを使った炉心冷却喪失試験では、原子炉の固有の安全性を確認するとともに、自然現象によりより安全を確保できることを示すため、炉心に制御棒を挿入せず、また、VCSを停止させて原子炉の強制冷却を停止させる。試験では、VCSの熱反射板のついていない水冷管に、原子炉の安全上問題とはならないが、財産保護の観点から局所的な温度上昇が懸念された。非核加熱試験を通して、局所的な温度上昇点が確認され、最高使用温度よりは低いが運転上の管理制限値を超える可能性のあることが分かった。冷却水の自然循環による冷却効果は1C以内であった。このため、再稼働後早期に試験を実施するための安全確実な試験方法を確立した。